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  第16回 2005年 3月19日(土)
『動けるバカ?西村太一、大失態』

いよいよ稽古場日記、残す所、あと2人となりました。
都合上、更新日が不定期になってしまった事をお詫び致します。
本当にすみませんでした。
そして本番に入って、折り返しもしてしまいました。
もはや[稽古場]日記ではありません。[本番]日記です。
さて、あと2人、気合い入れて書くかな。
無理だな。
いつも通りだな。
本当にすみませんm(_)m

今回は、ふれる〜じゅ客演さん1の動けるバカ(笑)[西村太一]の話を致します。
太一さんと出会ったのも、もぉ4年前。
私が、初めてふれる〜じゅに出演した時の、共演者でした。
小さな顔と、とんでもなく動く身体が印象的です。
演出・蒲生も、太一さんの愛されるキャラクターと、身体能力の高さをとことん買っています。
1年前。[BLUES TONE]
殺陣を取り入れた作品で、もちろん太一さんは召喚されました。
「太一さんに是非この役、やって欲しいんだ。お願いします。」
警察のお偉いさんで、アクション有りのちょっと悪ーい役です。
コメディを得意とする太一さんですが、その役はシリアスな老け役でした。
それでも太一さんは見事にこなします。
笑い無しのドスの効いた演技を魅せつけてくれます。
やっぱすげぇ☆
太一さんの能力の高さに、感心していたさなか、事件は起こりました。
本番2週間前。

【西村太一、骨折。】

えっっ!?殺陣で何か事故があった?
心配する共演者達。
松葉杖をついて稽古場に現れる太一さん。
「太一さんっ!!」
太一「あ〜、大丈夫大丈夫。本番までには治すから。」
「だって後2週間だよ(;_;)」
太一「大丈夫だって。」
それまで、太一さんはどっか無敵なイメージが勝手にあって、怪我なんてしないもんだと思ってた。
んな訳ない。
でも、酔っ払って電柱に登っても、酔っ払ってその電柱から飛び降りても、無敵だったのに…。
「いつ?どのシーンで怪我したの?」
太一「ん?あー…、いや。」
微妙な反応の太一さん。
なんだ?
太一「稽古場じゃ…、ないんだよ……」
え?
太一「稽古終わった後、外で跳び箱やっててさ…。着地、失敗しちゃった☆」
はっ?跳び箱??
しかも「しちゃった☆」って何?可愛くねーよ!
沸々とイラダチがこみあげてきました。
心配から一転、困惑する共演者達。
だってイイ大人が、そして本番2週間前の役者が、跳び箱で遊んでて骨折て。
バカでしょ?あり得ないでしょ?あり得ないでしゅ(>_<)
太一「あ、でも骨折じゃないよ?ヒビ入っただけだから。」
そんなに変わらない。
「太一さんっ!何て事したの!!」
怒りながら私は、ふと隣を見た。
…演出家がグッタリしている。
怒る気力も無い様だ。
太一「本当に、すみませんでした!」
今まで見たことない真剣な表情で謝る太一さん。
グッタリしている演出。
太一「本番までに治すから。殺陣は今まで通りやれる様にするから。」
必死な太一さん。
そしてグッタリしていた演出が口を開いた。
演出「動けなくなったら西村太一じゃないでしょっっ!」
怒っているでもなく、泣いているでもなく、何だか悲痛な叫びだ。
でも確かに、太一さんと言えば身体能力の高さが1番の売りだ。
それは周知の事実だと思う。
それが、よりによってアクションのある作品で、骨折て。
言わば西村太一の魅力六割ダウンだ。いや七割、
…十中八九使えないダウンっぷりだ。
けれども、その事実を一番痛感していたのは、紛れもない、西村太一本人だった。
太一「あー俺、何やってんだろ。」
本気でヘコむ太一さん。
そして稽古場では、松葉杖片手に殺陣の形を必死につくっている。
何だか見ていて切ない。
もぉ心身共にずたぼろな感じだ。
演出「太一さん、あんまり無理しないで。あくまでも本文は芝居だから。」
その声に、怒りの色はない。まるで小さな子供をなだめている様だ。
それでも諦めない太一さん。

太一さんは今でもヘコむ。
「骨折」と言う響きを聞くと。
そして苦笑いしながら恐る恐る尋ねる。
太一「…そろそろネタになったかな?」
なりません。
きっと演出家はあの怪我をずっと忘れないし、太一さん本人だってそうな筈だ。
だって太一さんは本来、役者として、してはいけない事をしてしまったのだから。
だけれど西村太一の身体はやっぱり尋常じゃなかった。
本番の殺陣シーンは、完治しないまでも、元の演出通りの動きとなり、太一さんは舞台上でいつもの様に立ち回りを行った。
さすがだ。
さっすが西村太一だ。
でもまだネタには出来ません(笑)

さぁて、太一さんをとことん攻め倒した所で今週もお開きにしますかね(-_-)
太一さん、アナタもいい大人なのだから、いつまでも10代の頃の身体だと思ってちゃあ、大間違いですよ?
そろそろ階段を登ると息がきれて、稽古帰りの電車ではすすんで空いている席を探す様になってゆくのですから…。
私の様に。
 
  ※注(言い訳)…太一さんを[動けるバカ]と命名したのは、
私ではありませぬ。
さすがに私も、大事な客演さんを[バカ]とは呼べない。
どれだけ思っていても…
でもこの呼び名を太一さん本人に見せた所、
「イイねぇ!」と何故か乗り気だったので、
そのまま使わせて頂きました。
あしからず。
 
  西村太一memo...
本文でも説明の通り、すこぶる身体能力の高さを持っていて、
もちろん今回の作品でも、ソコはめいっぱい堪能して頂ける筈です。
そして、西村太一ファン必見のコミカルっぷりも、存分に魅せてくれます。
今回のポイントは…
気持ち悪いっ!!
 
  本人から一言…
『俺、役者やめようかな…』
え?ウソ?!
ごめん!ごめん!!
やめないでください。
お願いだから(>_<)

 

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