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第15回 2005年3月14日(月)
『酒呑み番長、幸亮太』
亮太は多くを語らない。
稽古前は、一人で黙々と舞台セットを設置してくれているし、
稽古中は、一人で黙々と手話のビデオ観てたりするし、
稽古後は、一人で黙々と歩いて行ってしまうし…。
その行き先は、
ふれる〜じゅが週に2〜3回はお世話になっている呑み屋さん「へのへのもへじ(通称へのも)」だ。
午後9時30分になると亮太は元気になる。
稽古が終わる時間だ。
そう、なんてったって亮太はお酒が1番好きなのだ。
なので今日は、[幸 亮太]の酒呑み日記です。
…本番直前に話すネタじゃないな、コレ。
せっかく前回、真面目に書いたのに。
まいっか。
[へのも]の店員さんは、いい人達ばかり。
みんな明るく人柄が良く、お客さんに気持ち良くお酒を呑ませてくれる。
ふれる〜じゅのポスターなんかもずっと飾っていてくれて、よく呑みに行くメンツの顔は、ほとんど覚えていてくれている。
よく行くメンツの中には、もちろん亮太も含まれている。
しかも亮太の[へのも出席率]は9割強で、断とつトップだ。
ある日、亮太が来れない日があった。
いつもは必ず亮太が会計をしてくれるけど(家が近所で最後まで居られるから)、居ないのならしょうがない。
私が会計をして、レジに持っていった。
私「店長〜、すいませ〜ん、コレで」
店長「アレ?今日は幸くん居ないの?」
はっ…名前まで覚えている。
私「ちょっと体調悪いみたいで…」
店長「え?そぉなの?寂しいなぁ、なんか落ち着かないなぁ。」
愛されている。
店長は、ヒゲの似合うおおらかなおじさん(本当は若い)で、お子さんを大層可愛がっているパパだ。
私は店長が大好きだ。
何だか親戚のおじさんに会ってる気分。いやだから、まだ若いんだけど。
そんな店長は、亮太が大好きだ。
ちょっと悔しい。
亮太は何かと年上の男の人に好かれる。
宏樹さんは亮太を弟の様に可愛がっているし、蒲生さんは劇団員の中でもトップクラスで亮太を信頼している。店長然り。
亮太は私と同じ歳だけど、でも店長達の気持ちが私にもわかる。
亮太は本当に愛される。
多くを語らなくても、いや多くを語らないからこそカモしれない、亮太の良さはみんな知っている。
真面目で素直で、約束を破らない。そして腹黒い(笑)
日本男児だ。
多くを語らない亮太が、前に酒の勢いで(?)話してくれた事がある。
私「亮太、お酒で失敗した事とかないの?」
亮太「ありますよ!」
お?珍しく食い付いた!
私「何何?どんな事?」
亮太「…酔った勢いで……告った。」
えっっ!?告った??
ヤバい、ちょう興味ある(>_<)
亮太の恋話なんて、滅多に聞けるもんじゃない。
そりゃあもぉ団地妻の井戸端会議みたく私のテンションは上がった。
私「何年前くらい?」
亮太「あ〜4年位かなぁ。」
ちょうど亮太と出会った頃だ。
私「え?それでその結果は?」
亮太「あ、いや聞かない方向で…。」
私「……。」
あ…ダメだったのか。すまん。
シュンとしてしまった私に、亮太が言った。
亮太「あ、いや。上手くいきましたよ?一応…。」
え?あ、そぉなんだ。良かった〜(^^)
私「今、その彼女とは?」
…調子に乗ってしまった。
つい、うっかり喜んだ勢いで尋ねてしまった。
亮太「…2週間後、別れました。」
私「…ごめん。」
そぉだった。
しょっぱなの質問が[失敗談]なのだから…。
あぁ何て無礼な私。
またもやシュンとしてしまった私を見て、亮太が言った。
亮太「あ、友里さん、大丈夫ですよ。俺、一番、酒が好きですからっ☆」
……亮太、それあんましフォローになってないよ?
何だか余計哀しいよ?
でも亮太の目は真剣だ。
私「…ありがとう。」
何だか変な空気の二人。
亮太、優しいなぁ。
私が悪いのに…ごめんよ。
亮太は今日も美味しい酒を呑む。
多くを語らず、みんなの話を聞きながら、酒をくらう。
カワシマエイゴだ。漢字がわからない。
何も話さなくても、呑む席に亮太が居ないと何だか落ち着かない。
きっとみんなそぉだと思う。
亮太はそれだけの存在感がある。
そんな男だ。
亮太、店長が心配するから、今年は[へのも]10割の出席率を目指して下さいm(_)m
おしまい
追伸…
最近、呑み過ぎで、歳のワリに腹が出てきすぎてると、みんなが心配しています。 |